こんにちは、結城ぱいんです。
はじめましての方は、ごあいさつもぜひ覗いてください。
今日は発達障害と年金の話です。
発達障害と一括りにしても、高いスキルを発揮して問題なく働いている人がいる一方、仕事がままならず生活に困っている人もいます。
そんな方が障害年金を受給できれば少しは楽になると思うのですが、同じく発達障害を抱えるパートナーと年金事務所に行った時、発達障害で年金をもらうのは難しいという現実に直面しました。
そのことを書いていきたいと思います。
発達障害で年金は受給できる?できない?
先ほど「発達障害で年金を受給するのは難しい」と書きましたが、全くもらえないわけではありません。
日本年金機構のページを見ても、こう書いてあります。
Q 障害年金の対象となる病気やケガにはどのようなものがありますか。
障害年金は、年金加入中の病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて請求することができます。
それに、Twitterなど見ていると、発達障害で年金を受給している方をちらほら見かけますね。
でも実際のところ、発達障害は他の障害と比べ、年金を受給するのにいくらかのハードルがあるのは事実だと思います。
たまに「発達障害では年金はもらえない」と言っている人を見かけますが、そんな誤解があるのも、ハードルが高いせいかもしれません。
発達障害で年金を受給するのが難しい理由
では、発達障害で年金をもらうのが難しいのは、一体なぜでしょうか。
パートナーの年金申請手続きを手伝う中で感じた、その難しさについてお話ししていきます。
私は社会保障などに特別詳しいわけではなく、ひとりの当事者の体験談として参考にしていただければ幸いです。
①障害特性のせいで医師に正確に自分の状態を伝えられない
まず最初のハードルは、障害特性から発生する問題です。
発達障害があって上手にコミュニケーションができない方は、精神科の主治医に自分の状態を正確に伝えられないことも多いです。
目に見えて分かる身体障害と違い、精神障害の重さは医師が話を聞いて判断します。
そのため、仕事や日常生活でどのように困っているのかが主治医にちゃんと把握されていないと、正確な診断書も書いてもらえないのです。
発達障害で年金の申請を考えている方は、普段の自分の状態をよく知っている家族と一緒に、主治医に相談してみるといいかもしれません。
②障害厚生年金の対象外になってしまう場合がある
障害年金は、その障害の重さによって3級・2級・1級に分かれています。
障害が重いほど級が上がり、受給額も増えます。
それぞれの級の基準を、日本年金機構のPDFから引用します。
1 級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
2 級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
3 級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
難しい言葉で書かれているので、年金事務所の方が分かりやすく言い換えてくれました。
- 障害厚生年金3級:労働に支障がある
- 障害基礎年金2級:生活に支障があり、支援が必要
- 障害基礎年金1級:生活に支障があり、常に支援が必要
発達障害の方だと「仕事は大変だけど生活はできるから、障害厚生年金3級かな?」というケースも多いでしょう。
これが厄介です。
障害厚生年金の条件は、日本年金機構のページにこう書いてあります。
障害厚生年金・障害手当金を受けるためには、初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていること(保険料納付要件)が必要です。
(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
3級を受給できるのは、働き始めて年金を納めるようになってから病院に行った人だけということになります。
そのため、未成年や学生のうちに発達障害が判明した人は、受給のハードルが上がってしまうんですね…。
③初診日の証明をしなければいけない
日常生活に困るので、2級を申請したいと思う方もいらっしゃるでしょう。
それはもちろん可能ですが、発達障害で障害年金を受給するには初診日の証明が必要だと年金事務所で言われました。
ちなみに、知的障害や先天性障害の場合は、生まれた日が初診日という扱いになります。
「発達障害だって先天性障害では?」と思いましたが、なぜか発達障害は精神疾患と同じカテゴリです。
そのため、初診日に国民年金に加入していたか免除されていたことを証明するため、医療機関で初診日を証明してもらわなければなりません。
でも、あまりにも昔のことなのでカルテがない、原因が分からず病院を転々としたので最初に行った病院が分からないなどのトラブルが考えられます。
救済措置もありますが、なかなか簡単ではないようです。
発達障害で年金申請が難しかったので社労士事務所に行ってみた
このような事情もあり、パートナーと「やっぱり年金はもらえないかなあ」と諦めかけていたのですが、ダメ元で社労士事務所に相談に行ったところ、意外と何とかなりそうだと思いました。
今はまだ手続きの途中なのですが、初診日証明の取得、病歴の聞き取り、申立書の作成などをしてもらい、順調に申請が進んでいます。
社労士に依頼するとどうしても高額な費用が発生しますが、事務所によっては着手金無料で、成功報酬の支払いも障害年金が振り込まれるまで待ってもらえる場合があるので、そういうところがおすすめです。
私たちの場合は、最初に必要だったのは事務手数料だけでした。
相談も無料でできるところがほとんどだと思うので、年金なんてどうせもらえないと諦める前に、社労士事務所に行ってほしいなと思います。
社労士に依頼する際にかかる初期費用は意外と少ない!
発達障害でも障害年金が受給しやすい制度になってほしい
発達障害は、年金の制度上では精神障害の枠に入っていますが、実際は知的障害と同じく生まれつきのもののはずです。
それなのに初診日の証明が必要なのは、おかしいかも?と思うのですが…。
一刻も早く制度が整ってほしいものです。
とはいえ、発達障害では絶対に年金がもらえないというわけでもないので、困っている人は遠慮なく申請するべきだと思います。
障害年金について詳しく知りたい方は、本をチェックしてみるのもおすすめですよ。
ちなみに、発達障害で手帳を取得するのは比較的ハードルが低いと感じたので、支援が必要な方はまず手帳を申請するのもおすすめです。
精神障害者保健福祉手帳については、以下の記事を参考にしてみてください。
yuukipine-lifelog.hatenablog.com
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