こんにちは、結城ぱいんです。
はじめましての方は、ごあいさつもぜひ覗いてください。
精神疾患を抱えている方の中には、障害者手帳を取得しようか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
私も、手帳を申請するときは「本当に取得するべきなのかな…」と悩みました。
でも、結果的には手帳を取得して良かったと思っています。
今回は、実際に手帳を取得している当事者として、メリットとデメリットを解説します。
精神障害者保健福祉手帳とは
障害者手帳には、身体障害を持つ方のための「身体障害者手帳」、知的障害を持つ方のための「療育手帳」、そして精神障害を持つ方のための「精神障害者保健福祉手帳」の3種類があります。
よく略して「精神障害者手帳」とか言われますが、こんなに長い名前だったんですね。
それで、この手帳を取得することによって、医療費の助成・税金の控除・福祉サービスの利用などの援助を受けることができるようになるのです。
日常生活の困りごとの大きさによって1級から3級に分けられ、減税額や医療費の助成額などが違います。
どんな病気なら精神障害者保健福祉手帳を取得できるの?
精神障害者保健福祉手帳はありがたいものですが、自分の疾患が対象外だったら困りますよね。
しかしご安心ください!
厚生労働省のページに、全ての精神障害が対象だと書かれています。
何らかの精神障害(てんかん、発達障害などを含みます)により、長期にわたり日常生活又は社会生活への制約がある方を対象としています。 対象となるのは全ての精神障害で、次のようなものが含まれます。
ただし、取得するためには診断書を提出し、その症状で日常生活に支障があることを証明しなければなりません。
そして、その診断書をもとに等級が決まります。
ただ、厳密な判断基準は公開されていないため、私たちはどのように等級が決まるのか知ることはできません。
疑問がある場合は、精神保健福祉センターに問い合わせて相談してみるのがいいかもしれません。
どんな精神疾患でも対象になるものの、判断基準は非公開!
精神障害で手帳を取得するメリット
手帳を取得すると、いくつか大きなメリットがあります。
人によっては生活の困りごとが解消されるかもしれません。
ひとつひとつのメリットの内容と、私が感じたことを書いていきます。
①いくつかの税金の控除を受けられる
精神障害で手帳を取得すると、税金の控除を受けることができます。
あなたが障害者であるときは、障害者控除として27万円(特別障害者のときは40万円)が所得金額から差し引かれます。
精神疾患を抱えていると医療費がかかったり、生活の不便を解消するために出費が必要になるので、控除を受けられるのは大きなメリットだと思います。
私はこの記事を書いている現在学生で、親の扶養に入っているため直接的な恩恵はあまり受けていませんが、このような場合は親が控除を受けられるとのことです。
②施設の利用料や交通機関の運賃等が割引になる
障害者手帳があると、公共施設の利用料や交通機関の運賃が割引になります。
交通機関を利用すると、1回1回の運賃は大きな額でなくても、地味に出費がかさんでいきますよね…。
そのため、これも税金の控除と同じように、とても大きなメリットだと思います。
また、映画館などの商業施設でも障害者割引を行っている場合があります。
病気で療養している間は引きこもりがちですが、割引を利用して映画を観に行って、気分転換をしてみるのもいいと思います。
③福祉サービスを受けられる
手帳の取得により福祉サービスを受けられる幅が広がります。
例えば生活保護を受給している方は、手帳の等級に応じて生活保護費が加算されます。
また、低利子や無利子で役所から生活費を借りたり、公営住宅に優先的に入居させてもらうことも可能です。
私は今のところこういった福祉サービスに頼る必要なく暮らせていますが、いざという時に利用できる制度があると思うだけで安心できます。
そういう意味で、福祉サービスを考えていない人にとってもメリットになると思います。
④障害者雇用で働ける
障害者雇用促進法により、多くの企業が障害者雇用を進めるようになりました。
そして、障害者手帳があると障害者雇用で働くことができ、職場でも合理的な配慮を受けられます。
私の経験からすると、精神疾患を抱えながら一般雇用で働くのは非常にストレスがかかります。
このメリットを利用して、障害者雇用での就職を考えてみるのもひとつの手かもしれません。
ちなみに、「精神障害者手帳を取得すると障害者雇用しか選択肢がなくなる」と思って、申請をためらう人がいるそうです。
でも、必ずしもそうとは限らないと私は思っています。
詳しくは、以下の記事で書いています。
yuukipine-lifelog.hatenablog.com
精神障害で手帳を取得するデメリット
精神障害で手帳を取得するとメリットがたくさんありますが、一方でデメリットもあります。
それらを紹介します。
①診断書代がかかる
精神障害者保健福祉手帳を申請するには、役所に提出するための診断書を医師に書いてもらう必要があります。
これは特別な診断書なので作成料が高く、1通5000円以上する場合が多いです。
また、申請をしても認定されず手帳を取得できないこともあるので、その5000円が無駄になったら嫌だと思う方もいらっしゃるかもしれません。
②2年に1回の更新が必要
身体障害や知的障害と違って、精神障害は改善したり悪化したりしますよね。
そのため、役所で2年に1回の更新手続きが必要です。
この時にも診断書が必要になるので作成料がかかりますし、役所で定期的に手続きをするのはどうしても面倒なものです。
私は発達障害の先延ばし癖で、前回ギリギリになってから更新手続きをしました…。
③心理的なハードルがある
これは人によりますが、障害を認定されることに対して心理的なハードルがあるかもしれません。
精神疾患を抱えていると役所から認められるわけですから、手帳を取得することで逆に落ち込んでしまったり…。
そのため、考え方によっては大きなデメリットになりうる部分です。
そのような場合は、自分の気持ちを犠牲にしてまで無理に手帳を取得することはないかもしれないと思います。
手帳取得で悩んだら役所に相談を
手帳を取得することでどのようなメリット・デメリットがあるのかをもっと詳しく知りたい場合や、どうすればいいか分からずに悩む場合は、住んでいる地域の役所に相談することができます。
制度や申請方法について教えてもらえます。
また、取得したいと思ったらなるべく早く医師に伝えることで申請がスムーズに進められるはずです。
個人的に、お金の負担が減るので手帳は取得しておいて良かったです!
参考になれば幸いです。
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