こんにちは、結城ぱいんです。
はじめましての方は、ごあいさつもぜひ覗いてください。
私は体の性別が女性ですが、自分のことを女性とも男性とも分類できないと感じているXジェンダーです。
Xジェンダーとして自分らしく生活をしようとすると何かと悩みも多いものですが、地味に困るのが美容院選び。
今までなかなかしっくり来る美容院がなかったのですが、先日LGBT対応の美容院を教えてもらったので、髪を切ってもらいに行きました。
その感想をちょっと書いてみようと思います。
実はLGBTには難しい美容院選び
LGBTなどのセクシャルマイノリティの人がトイレや温泉で困るという話は、以前の記事で書きました。
yuukipine-lifelog.hatenablog.com
一方で「美容院は何が問題なの?」と思う方は多いでしょう。
でも、実際は美容院選びも、地味に難しかったりします。
理由は大きく分けて2つあるので、まずは軽くご説明します。
①雑談の内容によってはしんどくなることがある
美容院に行くと、美容師さんと雑談をすることもあると思います。
仕事や学校の話、イベントの話、おすすめのカフェの話…。
こういう雑談はまあ大丈夫なのですが、振られるとしんどいのが恋愛に関係する話。
最近はセクハラ対策などが徹底されているので、直球で「恋人いるの?」と聞かれることは少ないかもしれませんが、例えば「好きな芸能人のタイプは?」と振られた人がもし同性愛者だったらどうでしょうか。
きっと、困ってしまう当事者も多いはずです。
もちろんこれは、美容師さんを責めるつもりではありません。
ただ、こちらとしては地雷を踏み抜かれた気分になります。
そんな経験を繰り返すうちに、美容院から足が遠のいてしまうんですね。
②性別違和のある人は髪型を相談しづらい
LGBTの中でも性別違和のある「トランスジェンダー」や、私のように「Xジェンダー」を自認している人は、雑談で気まずい思いをするのに加え、髪型を相談しづらいという悩みがあります。
例えば私の場合だと、いくら「髪は短く切ってください」という頼み方でも「女性らしいショートカット」になってしまうんですよね。
Xジェンダーで、どちらかというとメンズ寄りの髪型の好きな私のイメージとは違います。
ここでカミングアウトする度胸のある人はいいのですが、なかなかそうはいかないという当事者の方も多いでしょう。
結局、性別違和のある人はうまい頼み方ができず、自分の思い通りの髪型を手に入れるのが難しくなってしまいます。
LGBT対応の美容院に行った感想
前置きが長くなってしまいましたが、本題に入ります。
私が地元のLGBT対応の美容院を知ったのは、セクマイの人が集まるバーで紹介してもらったのがきっかけです。
ここなら通えるかも!と思い、さっそく行ってきました。
その感想を書いていきます。
雑談の話題が配慮されていると感じた
私はXジェンダーであることに加え、性的指向は「パンセクシャル」です。
パンセクシャルについてここで説明すると長くなってしまうのですが、今は「性別に関係なく恋愛対象になる人(バイセクシャルに似ている)」と理解していただければと思います。
そのため、恋愛観が多くの人とはちょっと異なるのですが、LGBT対応の美容院では恋愛について話題になることはありませんでした。
また、恋愛のこと以外でも、プライベートな質問には「嫌なら答えなくていいけど」と前置きしてもらえたので、すごく気楽でした。
セクシャルマイノリティでなくても、聞かれたくないことや苦手な話題は誰だってあると思うので、LGBT対応の美容院はみんなに優しい場所だといえるかもしれません。
髪型の相談が思い通りにできた
普段は美容院でXジェンダーをカミングアウトすることに抵抗を抱いている私でも、LGBT対応ということで、今回は「ツーブロックにしたい」と自然に頼むことができました。
ずっとツーブロックに憧れていたのですが、今までなかなか言い出せなかったんですよね…。
でも、美容院に行くからには、やっぱり希望通りの髪型にしてもらいたいじゃないですか。
ごく当たり前のことなのですが、我慢していたことがようやく実現して、すごく嬉しかったです。
ちなみに、ツーブロックは周りの知り合いにも「イメージ変わったね!」と好評だったので、次もこれでお願いすると思います。
悩みやLGBTあるあるに共感してもらえた
あとは、LGBTあるあるに共感してもらえたのも嬉しかったです。
「他の美容院では、美容師さんとの雑談で気まずい思いをしてしまった」と話したら、
「そうですね、せっかく髪を切りに来たのに気分が下がってしまうのは残念ですよね」と理解してもらえて、ものすごく感激しました。
なぜこんなにもLGBTフレンドリーなのか尋ねたところによると、美容師さん自身がゲイなのだとか。
それを知って、さらに安心しました。
私も含め、セクシャルマイノリティの人は、自分だけがおかしいんじゃないだろうかという錯覚に陥ってしまった経験もあると思います。
そんな時、理解者がいるという事実はとても勇気づけられますね。
美容院で理解を得られてとても励まされた!
【番外編】LGBT対応の美容院が近くにない時は
私が住んでいる場所は都市部なので、いくつかLGBTフレンドリーな美容院もありますが、地域によってはなかなか見つからないこともあると思います。
そこで、セクシャルマイノリティの方が快適に美容院を利用するコツや、髪型の上手な頼み方について少し解説します。
極力話しかけないようにしてもらう
雑談の内容によって嫌な思いをしてしまう方は、美容院に行った時に初回のアンケートで「静かに施術をしてもらいたいです」というように書くのをおすすめします。
そうすると美容師さんは雑談をなくし、必要最低限の会話だけで髪を切ってくれるはずです。
これなら安心できるのではないでしょうか。
ネット予約の備考欄を活用する
今ではほとんどの美容院がネット予約に対応しています。
予約サイトにもよるのかもしれませんが、私が使用するサイトでは、ネット予約をする際に備考を書ける欄があります。
私は、LGBT対応でない美容院を使っていたときは、いつも「ボーイッシュになりたいです」と書いていました。
このように、希望の髪型を面と向かって言いづらい場合は、備考欄に書くという頼み方をすると楽かもしれません。
LGBTフレンドリーな美容院はみんなにフレンドリーな場所かも
今回LGBT対応の美容院に行って思ったのは、「セクシャルマイノリティの人に限らず、みんなが利用しやすそう」ということです。
プライベートに深入りされないこと、嫌な話は嫌と言えること、属性にかかわらず好きな髪型にできること…。
これは実は、誰に対しても大切な配慮じゃないかと思います。
決して今ある美容院がダメというわけではないのですが、こういう優しい場所が増えていくと、みんなが少し生きやすくなるのかもしれません。
【ご意見・ご感想をコメントにて募集しています。下にスクロールして、「コメントを書く」ボタンから気軽に投稿してください!】